
Designing connections
「つながりをデザインする」人でありたい

これまで長く、デザイン・マーケティング・ブランディングの仕事に携わってきて、その中で、さまざまな“つながり”を形にするお手伝いをしてきました。
たとえば
- お客さまとサービス
- お客さまと商品
- お客さまと企業
- お客さまとお店
こうした「提供者とユーザー」との関係づくりが、主なつながりのパターンでした。
もちろん、このような関係性はとても大事ですし、企業やお店にファンが増え、お互いに良い関係を築いていけることは、喜ばしいことだと思います。
でも、どこかでふと、物やサービスを介した関係だけでは、少し寂しく感じることがありました。
古くて新しい「つながり」のかたち
現代では、ネットでほとんどの買い物やサービスが完結します。とても便利な一方で、人と人、お店と地域との“顔の見える関係”が減っているのも事実です。
たとえば、チェーン店やフランチャイズは効率的で便利な反面、そこで働く人や地域とのつながりは、どうしても薄くなりがちです。
それに対して、個人経営の飲食店や美容室、雑貨屋さん、本屋さん、不動産屋さんなどは、お客さまとの関係だけでなく、「地域とのつながり」も感じられる場所だったりします。
昔は、お店の前で近所の人が立ち話をしていたり、子どもたちが店先で遊んでいたりと、自然な交流の場がありました。
でも、効率や合理性が優先される今、そんな風景はあまり見かけなくなりました。
どこか、世知辛くなってしまったようにも思います。
昔のようなコミュニケーションは難しいかもしれませんが、くふうしだいで古くて新しい「つながり」のかたちをつくっていくことができるかもしれません。
まだ「つながっていない部分」に、可能性がある
「つながりをデザインする」ということを考えたとき、まだつながっていない部分にはもっといろんな可能性があるのではないかと思います。
お店だけなくいろいろな分野でもっと広く、柔軟で、深くまたはゆるやかなつながりをつくることができるのではないか
それは
- 企業と人や社会
- 企業と地域コミュニティ
- 学校と地域の人、地域外の人
- 神社やお寺と人や生活
- 図書館やいろんな施設と施設
- 使われていない場所やスペースと人やコミュニティ
- アートや音楽と人や地域
など、決められたような概念を外して、もっと自由に、広くつなぐことができたら、私たちの行動はもっと豊かになる気がします。
点と点をつなぎ、形にする
では、どうすれば新しいつながりを生み出せるのか?
まずは、「どうつながると心地いいか、共感できるのか?」「新たな価値や文化がうまれるか?」を考えること。
そして、小さな仕組みを試してみて、それが良いつながりだと感じたら、誰かに伝え、共感を得て、広げていき、さらに、それが続いていくようにすること。
その一連の流れを形にしていくのが、デザインの役割のひとつだと思います。
それは決して複雑なことではなくて
- つながりの意味を表すシンボル
- 想いや背景を伝えるストーリーやビジュアル
- コンセプトや仕組みをわかりやすくするための工夫
そういったデザインを通じて、文化や想いが人から人へと伝わっていくと、新しい共創が生まれるかもしれません。
そんな世界を目指して、「つながりをデザインする」人でありたいと思います。
いろんな可能性をもった“点”と点をつなぎ、新しい形を生み出していく、そんなお手伝いができたら、こんな嬉しいことはありません。
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